ことらちゃんの冒険|作品紹介
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ことらちゃんの冒険|実際に読んだ感想とレビュー
トラになりたい子猫の楽しい毎日
『ことらちゃんの冒険』は児童文学作品です。
主人公は、しま模様の子猫「ことらちゃん」。トラのような模様をしていることから「ことら」という名前が付けられています。この作品は一つの長い物語ではなく、ことらちゃんの日常や小さな冒険を描いた全8話の短編集になっています。
好奇心旺盛なことらちゃんが、気になるものを見つけては挑戦したり、思いがけない出来事に巻き込まれたりと、猫らしい自由気ままな姿が微笑ましく描かれています。
中でも印象に残ったのが、ことらちゃんが本物のトラの絵を見つける場面です。
得意げにポーズを決めながら、
「ぼくにそっくりだろ?」
「いつになったらトラになれるの?」
と、お母さんに尋ねます。
しかし、お母さんは優しくもはっきりと、
「あなたはネコなのよ。」
と伝えます。
それでも納得できないことらちゃんは、「トラになれないはずがない!」と、一生懸命トレーニングを始めます。子どもらしい純粋な発想がとても可愛らしく、思わず応援したくなるエピソードでした。
ほかにも、セミを夢中で追いかけていたら、人間の子どもの虫かごに入り込んでしまい、自分が捕まえられてしまうというユーモラスなお話など、達也くん的にクスッと笑えるエピソードがたくさん収録されています。
どのお話もことらちゃんらしさがあふれていて、猫好きにはたまらない一冊です。ただし、絵本というよりは児童文学に近い作品なので、文章量はかなり多めです。
ページ数もしっかりあるため、小さなお子さんへの読み聞かせでは、途中で疲れてしまう保護者の方もいるかもしれません。
実際、図書館で借りた本もとてもきれいな状態だったので、「読み聞かせには少しハードルが高い」と感じる家庭も多いのかな、という印象を受けました。
その一方で、自分で文字を読めるようになったお子さんにはぴったりです。
1話ずつ区切りがあるので、「今日はここまで」と少しずつ読み進めることもできますし、毎日寝る前に一話ずつ楽しむ読み方にも向いています。
『ことらちゃんの冒険』は、かわいらしい猫の姿とユーモアあふれるエピソードが魅力の作品です。
読み聞かせ用というよりは、達也くん的には「絵本を卒業して、少し長いお話に挑戦したい」という子どもにおすすめしたい一冊。ことらちゃんの愛らしい冒険を通して、本を読む楽しさをじっくり味わえる作品でした。

背伸びしたい年ごろなんですよね。トラでも猫でもどっちでもいいんだよ

じゃぁぼくネコがいい
深読み!
著者の石井桃子さんといえば、あの『クマのプーさん』やミッフィーの『うさこちゃん』シリーズを日本に紹介した、児童文学界の超レジェンド。文章量は多めですが、言葉の選び方がとっても綺麗でリズムが良いので、自分で読めるようになった子の「最初の1冊」に選ばれるのも納得のクオリティです。




