赤い鉄橋を渡っていくよ|作品紹介
【PR】【広告】アフィリエイト広告を利用しております。アイキャッチ画像は楽天市場を利用しております。
赤い鉄橋を渡っていくよ|実際に読んだ感想とレビュー
『赤い鉄橋をわたっていくよ』は、一般的な絵本とは少し違います。
イラストではなく実際の写真が使われており、その写真と物語が組み合わさって一冊の作品になっています。絵本と写真集の中間のような、不思議な魅力を持った作品です。
舞台となるのは長野県上田市を走る別所線。その路線のシンボルともいえる赤い鉄橋を中心に物語が進んでいきます。
主人公は電車の運転士になることを夢見る少年です。少年はおじいちゃんから別所線や鉄橋にまつわる話を聞きながら、地域と鉄道の歴史を学んでいきます。そして物語の中では、実際に起きた鉄橋崩落や復旧の出来事も描かれており、単なる鉄道絵本では終わらない深みがあります。
子ども向けの作品ではありますが、大人が読んでも興味深い内容です。
鉄道というと「乗り物」として見ることが多いのですが、この本を読むと鉄道は単なる移動手段ではなく、人々の暮らしを支える大切な存在なのだと達也くんは改めて感じます。
町と町を結ぶ線路。川を越えるための鉄橋。普段は当たり前のように利用しているインフラですが、それが一本なくなるだけで生活は大きく変わってしまいます。
通勤や通学に時間がかかるようになったり、買い物や病院に行くことが不便になったりすることもあるでしょう。だからこそ、鉄橋が復旧したときに地域の人たちがどれほど喜んだのかも想像できます。
本作はそうした「地域の足」としての鉄道の大切さを自然に伝えてくれます。また、写真で構成されているからこそ伝わる魅力もあります。
実際の別所線の車両。赤い鉄橋。周囲の風景。これらがリアルな写真で紹介されるため、まるで自分もその場所を訪れているような気分になります。
特に鉄橋のある風景というのは独特の美しさがあります。多くの場合、鉄橋は川を渡るために造られています。つまり見晴らしの良い場所にあることが多く、夕暮れ時には美しい景色が広がります。
川面に映る夕日。その上を走る電車。想像するだけでも絵になります。
達也くんと達也くんの子どもたちは電車の車窓から眺める景色が好きなので、この本を読みながら実際に別所線に乗ってみたくなりました。鉄道好きの子どもはもちろん楽しめますが、それ以上に「地域の歴史」や「暮らしを支える鉄道」に興味を持つきっかけになる一冊だと思います。
写真だからこそ伝わるリアルさと、物語だからこそ伝わる人々の思い。その両方を味わえる、なかなか珍しい作品でした。

電車から視る景色は最高だし、電車が走る場所の景色も最高!
風景とともに列車の旅を味わえる絵本で乗り物好きキッズにぴったり

だいすきなでんしゃ!
達也の深読み!
廃線寸前?! 2019年の台風19号によって、上田電鉄別所線の「千曲川(ちくまがわ)橋梁」が実際に崩落してしまった実話がベースになっています。一時は廃線の危機かとも心配されましたが、地元住民の熱い署名活動や全国からの支援(約6万人以上の署名!)が集まり、なんと約1年半という異例の速さで2021年3月に全線運行再開を果たしました。この背景を知ってから読むと、ラストの復旧シーンの感動が何倍にも膨らみます。
写真を手がけた「岡田光司」さんは、上田市在住のプロ風景写真家! 本作の美しい写真を担当された岡田光司さんは地元の風景を知り尽くしたプロの写真家さんです。だからこそ、ただ電車をカッコよく撮るだけでなく、美しい四季の移り変わりや、夕暮れ時の川面に映る赤い鉄橋のノスタルジックな美しさなど、地元愛に溢れた最高の一瞬が切り取られています。イラストの絵本とは一味違う説得力を与えてくれています。




