たぬきのいとぐるま|作品紹介
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|実際に読んだ感想とレビュー
今回借りてきた本はものすごく状態が良い。ほとんど読まれていないのか、ページもきれいで「もっと読んであげてください!」と言いたくなるくらいです(笑)
こういう本って、内容が悪いわけではないのに、なかなか手に取られないことがありますからねぇ。図書館で見かけたら、ぜひ一度読んでみてほしいところです。
この作品は「一年生のおはなしシリーズ」の一冊ということで、小学校一年生くらいの子どもが読みやすいように作られているようです。小学校低学年で習う漢字を中心に使っているので、読み聞かせだけではなく、自分で読む練習にも向いている作品なのかなと思います。
物語の舞台は、山奥にある小さな小屋。
そこには一組の夫婦が暮らしていて、ある日、たぬきが小屋へやってくるようになります。
どうやら食べ物を探しているらしく、夫婦のところへちょこちょこと現れるたぬき。
旦那さんは「また来たな!」と怒って罠を仕掛けます。
一方、奥さんはたぬきに食べ物を与えていたのでしょうか。旦那さんに見つからないよう、たぬきの姿をさっと隠してあげます。
このあたりを見ると、どうやら奥さんとたぬきの間には、何かしらの親しみがあったようですな。
そして夜になると、奥さんは糸車を使って糸を紡ぎます。たぬきはその様子をじーっと観察。
来る日も来る日も糸車を回す奥さんを眺めているうちに、今度は自分でも糸車を回す真似をするようになります。
なんともまあ、かわいらしい。
人間が何かをしている姿をじーっと観察して、それを真似する動物というのは、絵本ではよくある展開ですが、こういう「見て覚える」という行動って子どもにも通じるものがありますよね。
親がやっていることを真似したり、兄弟のやっていることを真似したり。
子どもって、こちらが教えようとしなくても勝手に見て覚えていくことがあります。
達也くんはそんなことを考えながら読んでいました。
そんなある日、たぬきが罠にかかってしまいます。それを見つけた奥さんは、たぬきを逃がしてあげる。
旦那さんは「逃げられた!」と怒りますが、奥さんにとっては、やっぱり放っておけなかったのでしょう。そして季節が変わり、冬がやってきます。
夫婦は仕事の都合で家を空けることになり、しばらく小屋を離れることに。
そして春。
夫婦が戻ってきて小屋を開けてみると、そこには驚きの光景が待っていました。なんと、たぬきが糸車を回しているではありませんか。しかも、そこには大量の糸。
まるで一年分の仕事をしてくれたかのような量の糸を見て、夫婦はたぬきに感謝するのでした。
ちゃんちゃん。
こういう昔話的な展開、純和風!made inJapan!
奥さんがたぬきを助けたことへの恩返しとして、たぬきが糸を紡いでくれた。いわゆる「恩返し」の物語です。ただ、読んでいてちょっと気になったことが一つ。
「糸車って、今の子どもたちに分かるんだろうか?」(笑)
私自身も実物を毎日のように見て育ったわけではないので、子どもにとっては「これは一体何をしている道具なんだ?」となりそうです。そして令和の現代、親からして知らんのでは…?
今の時代、糸を作る工程なんて普段の生活ではほとんど見る機会がありません。
服を買えば完成品として売っていますし、毛糸だってお店に行けばきれいに巻かれた状態で並んでいる。
スマホを使えば何でも調べられるし、何か必要なものがあればネットで注文して翌日には届いてしまう。
そんな便利な時代だからこそ、昔の生活道具を題材にした絵本というのは、逆に貴重なのかもしれません。
「糸車って何?」
「どうやって糸を作るの?」
「昔の人はこんなことをしていたの?」
そんな疑問が生まれるだけでも、この絵本を読む意味はあるんだと達也くんは思う。
そういえば私が子どもの頃には「まんが日本昔ばなし」があって、昔話なんてテレビで普通に見ることができました。今考えると、昔の生活や風習、妖怪や動物、教訓なんかを自然に知る機会があったんですよね。
もちろん現代の子どもたちには現代の子どもたちの楽しみがあります。昔のものを知らないからダメという話でもない。
ただ、便利なものばかりに囲まれているからこそ、「昔はこうやって生活していた」という世界を絵本で知るのも面白いんじゃないかなと思います。
たぬきが糸車を回している姿を見ながら、「いやいや、たぬきさん器用すぎるやろ!」と思ってしまうところもありますが(笑)それも昔話の面白さ。
そして最後には、助けてもらったことを忘れず、ちゃんと恩を返すたぬき。こういう「誰かに優しくすると、いつか自分にも返ってくる」という物語は、今の時代でも十分に意味があると思います。
こういう昔ながらの物語も、子どもたちにはぜひ触れてほしいものです。
こういう絵本をきっかけに、昔の暮らしや道具に興味を持ってくれたら、それはそれで面白いんじゃないでしょうか。

織り機とか編み機とかわからんでしょう?

なにそれ?ってなったよ!
達也の深読み!
「たぬきのいとぐるま」道具を通じた学びは、身の回りのモノが「どう作られ、どんな歴史を持っているのか」という背景に目を向けるきっかけになります。
関係性の温かさは、見返りを求めない優しさとそれに応える恩返しの心が糸を紡ぐという丁寧な手仕事の描写と重なり、温かな余韻を残します。
「昔の暮らしを知る」という知識の獲得を超えて、便利な時代だからこそ忘れてはいけない「道具への感謝」や「相手を思いやる心の丁寧さ」を届けてくれる味わい深い一冊です。丁寧な作品だと達也くんは思ってます。





