しーっ!みみをすまして|作品紹介
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しーっ!みみをすまして|実際に読んだ感想とレビュー
話すことより「聞くこと」の大切さを教えてくれる一冊
『しーっ!みみをすまして』は、ニコラ・キニアさんによる心温まる絵本です。
主人公は、おとなしくて優しい小さなキツネ。森の静かな場所で小鳥や虫、小さな生き物たちを眺めながらお話を書くことが大好きです。
ところがキツネには一つ困ったことがありました。それは、一緒に遊ぶ動物たちがとにかく元気でいつも大騒ぎしていること。
せっかく書いたお話をみんなに聞いてもらおうとしても、誰も耳を貸してくれません。楽しそうに遊び続ける仲間たちの声にかき消され、キツネの小さな声は届かないのです。
そんなある日、キツネは森の中でクマの爪痕を見つけます。危険を知らせようと何度も声を掛けますが、やはり誰も気付いてくれません。遊びに夢中で耳を傾けてもらえず、何度伝えても届かない。
そしてついに我慢の限界を迎えたキツネは、
「しずかにしてってば!」
と大きな声で叫びます。
その一言でようやく動物たちは静かになり、キツネの話を聞こうとします。ところが、そのタイミングで本当にクマが現れてしまいます。みんなは慌てて逃げて隠れますが、すぐに見つかってしまいます。
「もうダメだ」
そう思った次の瞬間、意外な展開が待っていました。なんとクマは怒っているのではなく、眠れなくて困っていたのです。森中があまりにもにぎやかなので、ゆっくり休めなかったのでしょう。
そこでキツネは、自分が大切に書いてきたお話を静かに読み聞かせます。優しい物語を聞いているうちに動物たちはもちろん、クマまで眠たくなってしまい、みんな仲良くぐっすり眠るという温かな結末を迎えます。
読み終えて感じたのは、この作品は単なる「静かにしましょう」というお話ではないということです。人は話すことばかりに夢中になると、周りの声が聞こえなくなってしまいます。
誰かが助けを求めていても気付けなかったり、大切なことを伝えようとしていても聞き逃してしまったり。だからこそ、「話す力」と同じくらい「聞く力」も大切なのだと、この絵本は教えてくれます。
子育てをしていると、「静かにしてね。」と言っても数分後にはまた元気いっぱいに遊び始めることがあります(笑)。子どもは元気に遊ぶのが仕事とも言いますしね~。
絵本を通して「静かに耳をすませる時間も大切」と自然に伝えられるのはとても良い事だと思います。
イラストもこの絵本の大きな魅力。
色彩がとても鮮やかで森の木々や草花、小さな動物たちまで細かく描き込まれており、ページを眺めているだけでも楽しめます。優しいタッチでありながら、森の豊かさや生命力がしっかり伝わってくるので、物語の世界に自然と引き込まれます。
読み聞かせにもちょうどよく、親子で「人の話を聞くこと」や「相手の気持ちを考えること」について話し合うきっかけにもなる一冊だと達也くんは思います。
静かな時間の心地よさと、人の声に耳を傾ける大切さを教えてくれる、優しさあふれるおすすめの絵本でした。

しーってしても全然喋りまくって人の話を聴く耳もたない子供ら(笑)

まいにちいそがしいのっ
達也の深読み!
この絵本の素晴らしいところは、主人公のキツネが「物語を書く(=自己表現する)」魅力と楽しさを知っている点です。
単に「静かにしなさい」と規律を強制するのではなく、「自分の中にある思いや物語を届けるためには、お互いに耳を傾け合う静寂(余白)が必要なんだ」というメッセージが根底にあります。
話す側と聴く側、双方が整って初めて「伝える」というコミュニケーションが成立することを、物語を通して自然に感じ取ることができます。






