クモのシルバーくん|作品紹介
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クモのシルバーくん|実際に読んだ感想とレビュー
期待に応え続けることだけが正解じゃない
主人公は、一匹のクモ「シルバーくん」。クモが主人公と聞くと少し身構えてしまう人もいるかもしれませんが、この作品に登場するシルバーくんは、とても愛らしく描かれています。
舞台は美術館。美術館に住むシルバーくんは、自慢の糸を使って美しいクモの巣を作ります。
その巣は、ただの巣ではありません。まるで風景画のような芸術作品として仕上げられた、世界に一つだけの作品です。
その美しさに気づいた美術館の館長は、「これは素晴らしい作品だ」と感動し、美術館で展示することを決めます。
やがてシルバーくんの作品は評判になり、多くのお客さんが見に訪れるようになります。
「次はどんな作品が見られるんだろう。」
そんな期待が集まる中で、シルバーくんはその期待に応えようと、次々に新しい作品を作り続けます。しかし、創作を続けるうちに疲れがたまり、やがて休むことすら忘れてしまうようになります。
ここから先の展開は、ぜひ実際に読んで味わっていただきたいところですが、この作品が伝えたいことは、とても現代的だと感じました。
「期待に応えたい。」
その気持ちは決して悪いことではありません。けれど、人の期待ばかりを優先して、自分の心や体を後回しにしてしまうと、いつか無理がきてしまいます。
シルバーくんの姿は、仕事や勉強、部活動などで頑張りすぎてしまう人にも重なって見えました。
そのため、読んでいて「これは子ども向けというより、中学生や高校生、大人にも響くテーマかもしれない」と達也くんは感じました。
もちろん、小さなお子さんにとっては「クモの巣が芸術作品になる」という発想や、美しいイラストを楽しめる絵本です。
一方で、年齢を重ねるほど、「休むことも大切」「無理をし続けなくていい」というメッセージがより深く心に届く作品でもあります。
現代は、成果を求められる場面が多く、「期待に応えなければ」と頑張りすぎてしまう人も少なくありません。そんなとき、この絵本は「少し立ち止まってもいいんだよ」と、そっと背中を押してくれるような一冊です。
『クモのシルバーくん』は、芸術や創作の楽しさを描きながら、「自分らしく生きること」や「休息の大切さ」を優しく伝えてくれる作品でした。
達也くん的には子どもへの読み聞かせはもちろんですが、忙しい毎日を送る大人にもぜひ読んでほしい、静かな余韻が残る絵本です。

時には立ち止まり、時にはゆっくり過ごし、無理なくって感じですね

ぼくはまいにちはしりまわってます!
深読み!
この作品、「第2回絵本テキストグランプリ」で見事グランプリを受賞したお話なんだそうです。元々はイラストレーターとして多くの書籍の挿絵を手がけてこられたすみもとななみさんですが、自らお話も手がけたこの『クモのシルバーくん』が、記念すべき「絵本作家としてのデビュー作」なのだとか。初の作・絵作品でこれほど完成度が高く、大人の胸にも深く刺さる物語を生み出してしまうなんて本当に凄いです。





