わたし初音ミクこまっているの|作品紹介
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わたし初音ミクこまっているの|実際に読んだ感想とレビュー
シュールすぎる初音ミク絵本!
図書カードが残っていたので何か無いかなと思って購入した「たなかひかる」先生の絵本。
個人的に結構好きな作品が多いんですけど、この「わたし初音ミクこまっているの」は…かなりせめているというか何と言うか(笑)
タイトルを見た時点では「初音ミクが登場する普通の絵本なのかな?」くらいに思っていたんですけど、実際に読んでみると全然違う。
シュールです。
かなりシュール。
そして、初音ミクを知っている人ほど「そういう方向にいじるんかい!」とツッコミたくなるような内容になっています( *´艸`)
この作品では、初音ミク本人が「こまっているの」と語りかけながら、いろいろな困りごとを紹介していきます。
その困りごとの原因の一つが、あの長~い髪。
初音ミクといえば、やっぱり特徴的なのがあのツインテール。ところが、この絵本では、その長い髪がとんでもないことになっています。ツインテールをいじる!
あまりにも髪が長いものだから、なんと鳥たちが髪の毛に巣を作り始める(笑)
普通だったら「髪の毛が長くて困っています」というところで終わりそうなものですが、そこはたなかひかるさん。
「じゃあどうする?」という発想が、いちいち斜め上を行っています。髪の毛が長くて地面を引きずってしまう。だったら髪の毛に台車を取り付けてしまおう。
・・・台車(笑)。
でも、こういう「どうしてそうなった?」という展開が、この絵本の面白さ。
さらに髪の毛が長いことに困った初音ミクは、思い切って髪を切ってしまいます。
これでスッキリ!……と思ったら、今度は誰も初音ミクだと気付いてくれない。
あの特徴的な髪型がなくなったら、見た目の印象はかなり変わります。ショートカット初音ミク。だけども誰も気づいてくれない。ちょっとイラッときたミクちゃんが取った行動は…
「じゃあ髪の毛を誰かにつけてみよう」
ということで、おじさんに初音ミクの髪の毛を取り付けてみる。この時点でもう「初音ミクの魅力を紹介する絵本」というより、「初音ミクを題材にしてどこまでシュールなことができるか」という作品になっている?!
これがまた面白い。初音ミクって、もともと非常に特徴的なキャラクターですし、長いツインテール、独特の衣装、青緑色の髪。そんな「誰が見ても初音ミク」と分かる記号的な部分を、あえてネタとして崩していく。
髪の毛が長すぎて困る。
鳥に巣を作られる。
長すぎるから台車を付ける。
切ってみたら初音ミクだと気付かれない。
だったら別の人に髪を付ける。
……この発想の連続が、なんともくだらなくて良い(笑)。
もちろん、初音ミクを心の底から愛している人からすると、「いやいや、初音ミクをそんな扱いするな!」となる可能性もあるでしょう。世の中には初音ミクが大好きで、人生レベルで愛している人もいるわけです。
先日何かのTV番組で初音ミクと入籍して結婚したという男性をみました。もしそういう人がこの絵本を読んだら、「ミクさんに何してくれてんねん!」となる可能性は十分ある?。
逆に、初音ミクを知っていてこういうシュールな笑いも楽しめる人なら、かなり面白く読めるんじゃないでしょうか。要するに、人を選ぶ絵本だと思います。
「初音ミクだから可愛い!」「初音ミクだから尊い!」…ではなく
「初音ミクを使ってこんなことやってるぞ!」というタイプ。
キャラクターを大切に愛でるというより、キャラクターの特徴を徹底的にいじって笑いに変えている感じです。達也くん個人としては、こういう作品は嫌いじゃないです。発想が面白い。
たなかひかるさんの作品らしい、独特のシュールさも感じます。
初音ミクへの思い入れが強ければ強いほど、評価は分かれるでしょう。好きなキャラクターをいじられても「おもろいやん!」と笑えるタイプなら問題なし。「ミクさんをそんなふうに扱うなんて許せない!」となってしまうタイプなら、ちょっと距離を置いたほうがいいかもしれません。
絵本だからといって、必ずしも優しくてほのぼのした内容とは限らない。こういう「キャラクターを使って全力でふざける」タイプの絵本もある。こういうくだらないことを全力でやっている作品はこれはこれで結構好き( *´艸`)
初音ミクは絶対的な存在であり、何があっても神聖な存在として扱ってほしい!という人は読まない方が無難かもしれません。

感覚的には銀魂に登場する新八がメガネ的存在でメガネだけ映して喋っていたら新八だという認識と一緒の発想( *´艸`)

かみのけつけたらパパもミクちゃん!?
達也の深読み!
髪に鳥が巣を作っても追い払わずにそのまま受け入れる包容力、そして長すぎる髪を「切る」のではなく「台車に乗せる」という謎の技術的アプローチ。初音ミクの持つ圧倒的な寛容さと、常識にとらわれない柔軟な問題解決能力が垣間見えます。ただのボーカロイドじゃぁない、歴史を積み重ねてきた味のある初音ミクだからこそ面白いのかも?
「わたし初音ミクこまっているの」は、ちゃんとボカロと協力して作ってる作品だから公式だけど、おじさんがミクちゃんになるのはちょっとヤダな(笑)

